世界で最も高齢化の進んだ日本にはたくさんの見守りサービスが存在しています。しかし、必要性ばかりに迫られ、見守られるご高齢者だけでなく見守る側のご家族や支援者・協力者も「見守り」自体にストレスを感じられているのではないでしょうか。私どもは もっと緩やかな、ご高齢者もご家族も日々楽しみながら実現できる「みまもりサービス」の開発を目指しています。
私たち「こよみるプロジェクト」は、5年間に渡って在宅ご高齢者のみまもりサービスの実証・社会実装を行ってきた人材を中心に立ち上げられました。この経験から、一人暮らしのご高齢者がいかに孤独感を感じられているか、離れて暮らしておられるご家族や、お住まいの地域でご自分の生活を支援してくださっている支援者の皆さんとの ”つながり” を潜在的に求めていらっしゃるかを実感してきました。部屋に閉じこもりがちな生活の中で 外とのコミュニケーションを持つことがQOL(生活の質)の向上につながるという結果も得られました。
問題となったのはロボットの価格でした。もっと低コストでご高齢者に日々の生活に張り合いを感じていただきたいという思いから、タブレットを使ったサービスの開発に至りましたが、愛くるしいロボットとは異なり、無機質な機械に対する違和感と、操作の難しさからご高齢者に受け入れていただけないという失敗を何度も何度も繰り返してきました。しかし、この失敗の中でもご家族の皆様からいただき続けた応援の声に勇気づけら、失敗の原因を細かく検証した結果、操作の必要が最小限で、IT機器に不慣れなご高齢者の日々の生活に自然に溶け込める商品として出した答えが『こよみるAI』です。
ソフトウェアの開発を業とする私たちは、多くのご高齢者の皆様にIoTの恩恵をご教授いただけるようAIをはじめとした最新のソフトウェア技術を駆使し、ご家族や地域支援者の皆様とのコミュニケーションを通じた在宅生活の充実とQOL向上のお役立ちを目指してまいります。
令和6年8月吉日
梶原 薪